坂口安吾|飛騨・高山の抹殺 ⑩|身内のケンカと日本神話

坂口安吾 の 新日本地理「飛騨・高山の抹殺」について。(その ⑩)

安吾の新日本地理:飛騨・高山の抹殺 ⑩

「安吾の新日本地理:飛騨・高山の抹殺」というお話は、「青空文庫」で、読むことが出来ます。

\ 全文はこちら /

おねがい:古代飛騨ついて
飛騨の口伝 をはじめとした「古代飛騨」の話は、えてして「飛騨の何かを隠したい相手」への 批判 を伴いがち です。

私としては(当事者ではないからこそ言える事ではありますが)何か や 誰か へ対する 批判 は 目的としていません。

その点を、ご理解の上、読んでいただけると有難いです。

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「白黒の文字」だけだと、情報が上手く入らない「ポンコツ脳」なので、自分の為にちょっと整理してみました。↓↓↓

身内のケンカと日本神話

青空文庫編:安吾の新日本地理:飛騨・高山の抹殺――中部の巻――坂口安吾

↑↑↑ 上記の内容に「改行」「空白」「…」「リンク」「補足」「画像」等 をプラスさせていただきました ↓↓↓

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赤:飛騨国・緑:東山道(引用:Wikipedia

※ 「斜体」が「坂口安吾」の文章です。↓↓↓

両面スクナ の伝説で 見のがせないのは 彼が 日本の首長たるべきである のに 敵にはかられて 殺された ということで、日本武尊 もそれに似ているし、五瀬命も もし 生あらば自分が兄であるから 日本平定後 即位 するのは 彼であったであろう。

スクナは 日本の 首長たるべき人 であったとも云う。

伝説だからハッキリしません。

そして皇位をつぐべきであったのに、帝に憎まれて追われた というのは、古事記の 日本武尊 の方がむしろハッキリそうであるが、この 日本武尊 の運命に 似た人々が 古代史に多く現れ、それはまた この地になんとなく ユカリありげに 暗示されている。

その 似た宿命というのは、日本武尊 とその分身の 大碓命 を合せたようなもの、つまり、恋人だの 皇后たる人の兄が 妹をそそのかして天皇を殺させて 自分が天皇になろうとする、そして 却って 殺される

その アベコベに 殺したのが 女帝自体 だというのもあり、仲哀天皇天ノワカヒコ は その例であるが、前者の方には 崇神帝の場合があり、その他いくらも似た例がある。

<メモ>

  • ↑「アベコベに殺したのが女帝自体」…ってどういう意味?

これも 両面伝説 の 主人公の悲劇性の 一ツとしてダブって重なり、合せて 一ツの真相 を暗示しているのかも 知れぬ。

家庭環境複雑すぎ…
(系図はほんの一部:実際はもっと複雑)

ところが、後世に至って 大友皇子天武天皇 の 例が起った。

大友皇子 天智 の子。

天武天智の弟 で 皇太子。

しかし、皇太子をゆずらないと 自分が殺されそう なので、いったん 大友皇子 にゆずって 吉野 へ隠れた

しかし 天智天皇の死後に 挙兵して 大友皇子 を殺し、自分が即位 した。

この 天武古事記書紀 のヘンサンを命じた 女帝 の 父たる人 である。

<メモ>
  • 記紀の編纂を命じた女帝っていうのは「43代 元明天皇=阿閇」のこと?
  • 「43代 元明天皇=阿閇」=「持統天皇の息子草壁皇子」の后?
  • 「父たる人」っていうのは「義父」っていう意味?
  • それとも全然別の話?

持統天皇以外の「女帝」とは?

だから、官撰の国史というものは当然、天智の死と その子たる 大友皇子殺害事件 が 偽装すべき 重大な秘密の一ツ であったことは申すまでもないし、そのゴマカシが 官撰国史の主要な任務でもあったろう。

だから 官撰国史の 天智大友皇子の話は 決してそのままに 信用はできない

ところが、なんとなく 大友皇子的 運命らしいものが、両面伝説の 立役者の 一ツの運命として 悲劇性 の 一ツとしてダブッており、これまた 各時代の各人物に 分散せしめられた オモムキが見られるのである。

天武天皇 大友皇子 を殺す前に、自分の方が の疑いや 憎しみをうけて、いったん 殺されそう になっている

結局、自分の方がやらないと、自分がやられそうな場合でもあって、やむを得ず 大友皇子 を殺して、皇位につくというのが 国史の語る筋である。

これが本当の話であるか、偽装がほどこされているか、それを正確に知る手段はもとよりないけれども、天武天皇の 皇后たりし女帝と云っても 持統帝 ではなくその 妹帝 である)の ヘンサンを命じた史書だから、万事話が 天武側に 有利につくられてるのは自然であろう。

<メモ>

  • ↑「天武天皇 皇后たりし女帝…と云っても 持統帝 ではなくその 妹帝」…ってどういう意味?
  • 持統帝 は 天武天皇 の 皇后だけど、妹「元明天皇(阿閇)」は持統天皇 の 息子の皇后だよね?(天武 の 皇后ではない)
  • 太田は 持統天皇 の 姉だし…
  • 持統 でも 太田 でも 元明 でも ない「天武の皇后かつ女帝な人」が いるの…?

登場人物多すぎて書ききれない…

いったん 古事記 をつくり、しかる後に 更に 書紀 のヘンサンを命じたのは、国史の偽装が 細部にわたるまで ツジツマよく施されておらぬ ウラミがあって不満があってのことに相違ない。

しかし女帝は 天智の娘 でもあるから、身内同志のケンカ で、特に 父側 を悪しざまに作るわけにもゆかなかったであろうから、この 偽装は微妙を極めていると思われる。

結局、天武大友皇子の悲劇は、両面神話 の主人公の悲劇と相似たものに作られた。

その原形が どちらか、あるいはどちらも 真実相似たものであったか、それをツマビラカには なし得ないけれども、

多くの 両面神話 が相レンラクして暗示するものには、天武 大友 の 悲劇をホーフツせしめるものが 含まれておるし、天智 大友 天武 の関係からは 両面神話 の主人公の 悲劇的な運命の 最も大きくて 本質的なものを ホーフツせしめてもいるのである。

※ ↑↑↑「斜体」が「坂口安吾」の文章です。

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参考サイト

安吾の新日本地理:飛騨・高山の抹殺 ⑨|まとめ

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以上、

「安吾の新日本地理:飛騨・高山の抹殺 ⑩」についてのブログ記事でした。

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