乗鞍岳 は 淡山(アワヤマ)だった?…について。
目次
乗鞍岳は「淡山」だった?
飛騨の伝承 には「乗鞍岳」はかつて「淡山」と呼ばれていた…という話があります。
というわけで「乗鞍岳」周辺で「アワヤマ」の面影をたどってみたいと思います。
結論を先に書くと、乗鞍岳 周辺で「淡山」という漢字の山はみつけられませんでしたが、他の漢字でいくつかそれらしい山を見つけることができました。
まず、「乗鞍岳」(乗鞍連峰)に「安房山」が ありました。(安房は「アワ」とも読みますね)
そして、かつて「乗鞍岳」は「愛寳山(愛宝山)」と呼ばれていたということもわかりました。
愛宝(アフォゥ)=アワ(アファァ) なのかな?(知らんけど)
【追記】
あと、後日発見したのですが
乗鞍連峰のひとつである「安場山」
飛騨古川町にある「安峰山」
…これらも、「乗鞍岳」にある「アワ山」といえそうです。
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\ 乗鞍岳のアワ山 /
※ クリック(タップ)すると「詳細」にジャンプします ↓↓↓
これらについて、もう少し詳しく説明しますね。
↓↓↓
アワ山=安房山?
まず単純に「淡山」という地名で探しても、今も昔も「乗鞍岳」周辺にその名称はでてきませんでした。
(もちろん、探し切れていないだけという可能性はあります)
- 「乗鞍岳」はかつて「淡山」だった
- 「アワ」とは「ア=天」と「ワ=地」を表す
「淡山」は見当たりませんでしたが、上記を踏まえますと、「ア」と「ワ」に違う漢字をあててたのじゃないかな?…と思ったり。(知らんけど)
で、「阿波」「安房」かな?と。
そちらで調べてみますと「乗鞍岳」(乗鞍連峰)のひとつの山に「安房山」が見つかりました。
ただ、読み方としては
安房山=アボウヤマ
アワ
アバ
アバォゥ
アボ
アボウ
発音としては同じ(アワ=アボウ)になる感じでしょうか?
(言語学とかに詳しいわけじゃないので適当ですが)
見た限り、日本の「安房」という地名には「アワ」と「アボウ」と「アンボウ」の読みがあるようです。
「安房=アワ」の地域
以下の「安房」は 「アワ」と読んでます。
「安房=アボウ」の地域
「安房」を「アボウ」読むのは「乗鞍岳」周辺(安房山・安房峠)くらい…なのかな?
「安房=アンボウ」の地域
「安房」を「アンボウ」と読む地域は他にもあり 以下となります。
- 茨城県鉾田市の大字 安房→ 地図
- 鹿児島県 熊毛郡 屋久島町の大字 安房→ 地図
乗鞍岳=愛寳山(愛宝山)
「乗鞍岳」自体 が「愛寳山(アボウヤマ)」と呼ばれていたという話は古い書物に沢山残っていました。
・「愛寳山」検索結果はこちら→ ★
「愛寳」=「愛宝」です。
↑「寳」思わず拡大したよね。
最初、「寳」=「宝」がわからなくて読めなかった思い出として、埼玉の「寳登山=宝登山」が思い出されますね~。
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話をもどして。
一説によると「位山」も「愛寳山」と呼ばれています。
というか、「乗鞍岳」が「位山」と呼ばれていたようです。(クラ山=久良山?=蔵山?)
古代飛騨の人々が、乗鞍岳を降り麓を「宮村」にした…という伝承がありますので、「愛寳山」としての役割が「乗鞍岳」から「(現在の)位山」に移ったことにより名称の混同が起きているのかもしれません。
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<余談:脳内連想ゲーム>
拡大した「寳」という字を見ると「貝」が入っています。
昔は「貝」が「宝」(の ひとつ)だったのかな?
「ゴホウラ貝の腕輪」の話とかもありますし。
新潟の「明星山」は、もともと数億年前に赤道近くの海底火山の上にできた 大きなサンゴ礁 で、それが海洋プレートにのって運ばれてきた そうですし。(話めっちゃ逸れましたが…)
なんだか「貝」が出てくると神秘的な「海」の世界が脳内で再生されて、わくわくします。(謎)
アワ山=安場山?
「岐阜県中部山岳国立公園:乗鞍岳の23峰のご紹介」というサイトにも書かれているように、現在の「四ツ岳」はかつて「安場山」という名称だったそうです。

引用:次世代ライブラリー
↑↑↑「硫黃山の南方に阿房山·安場山 等が相連り…(中略)…乗鞍嶽に至る」とあります。
「安場山(旧)=四ツ岳(現在)」として、「阿房山」ってどこを指すのだろう?
「乗鞍岳」自体?とかも思ったけれど、別途「乗鞍嶽」って書いてあるし 違うっぽい。
「安房山」のこと?とも思うけど(誤字?)
これまた 別途「安房山」については書かれてるし 違うっぽい。(画像の真ん中らへん)
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というわけで、詳しくは不明ですが。
「安場山(旧)=四ツ岳(現在)」だったとともに、この辺りも「阿房山」と呼ばれていたっぽいですね。↓↓↓
アワ山=安峰山?
【清峯寺】住所:岐阜県 高山市 国府町 鶴巣1320-2
国府町に「清峯寺」というお寺があるのですが、そこの 看板(沿革・由緒書き)に「安房山」の文字が見られます。

引用:次世代ライブラリー
↑↑↑
これを読んだ時に「ん?古川盆地の東方一帯」の「安房山」ってなんだ???
「乗鞍岳の北側 麓」(安房山峠のある「安房山」)のこと?
それとも「位山」のこと?
とか思いつつ。
「まぁええか。(わからんし←岐阜の土地に疎いもんで)」
…と思っていたのですが。
「清峯山」のことだったのですね。ちょっとスッキリ。
※「なんで名前変わったんやろう?」については「事情は色々あるんやろう」でしかないので 深堀りはしません。(わからんので 突っ込まないでくださいね!)
<参考>
・omairi:清峯寺
乗鞍岳の23峰
「乗鞍岳」は、剣ヶ峰を主峰とする23の峰の総称です
- 乗鞍剣ヶ峰(ケンガミネ):標高3,026m|山頂:乗鞍本宮(岐阜県向き)・朝日権現社(朝日権現社)
- 十石岳(ジュッコクダケ):標高2,525m
- 大崩山(オオクズレヤマ):標高2,523m
- 猫岳(ネコダケ):標高2,581m|神苗代(カミナワシロ)という泥地あり
- 硫黄岳(イオウダケ):標高2,554m|別名「焼岳」
- 四ツ岳(ヨツダケ):標高2,751m|旧「安場岳(アンバダケ)」
- 烏帽子岳(エボシダケ):標高2,692m|別名「魔王岳」
- 大丹生岳(オオニュウダケ):標高2,698m|大丹生池の上部に位置
- 大黒岳(ダイコクダケ):標高2,772m|旧「鉢伏岳(ハチフセダケ)」
- 恵比寿岳(エビスダケ):標高2,831m|亀ヶ池がある
- 魔王岳(マオウダケ):標高2,764m|旧「大岩岳」|円空上人が開山
- 富士見岳(フジミダケ):標高2,817m|旧「摩利支天」|円空上人が開山←⑮?
- 里見岳(サトミダケ):標高2,824m
- 不動岳(フドウダケ):標高2,871m|安全の為立ち入り禁止
- 摩利支天岳(マリシテン):標高2,873m|山頂に乗鞍観測所|円空上人が開山←⑫?
- 水分岳(ミクマリダケ):標高2,896m|昔、水の神様がいた山だった
- 朝日岳(アサヒダケ):標高2,975m|木喰上人が修法
- 蚕玉岳(コダマタケ):標高2,979m
- 雪山岳(ユキヤマダケ):標高2,890m|昔、釈迦がいた山だと言われている
- 大日岳(ダイニチダケ):標高3,014m|「天岩屋」という洞窟有|木喰上人が修法
- 屏風岳(ビョウブダケ):標高2,968m
- 薬師岳(ヤクシダケ):標高2,950m
- 高天ヶ原(タカマガハラ):標高2,829m|剣ヶ峰の南東|自然保護のため立ち入り禁止
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「乗鞍の歴史を語る会」の インタビュー記事 によると、『大日岳』が重要ポイントなんですって。
こちら(長野)側から見ると、剣ヶ峰が一番尖って目立つ山だが、実は『奥の院』と言う。岐阜側から見て最初の山『大日岳』が一番大切な山。大日如来に由来し、山岳信仰の中心だったのではないか。
引用:乗鞍の歴史を語る会
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ちなみに、Wikipedia では、23峰に「高天ヶ原」が含まれず「安房山」が入っています。↓↓↓

引用:Wikipedia
(「大崩山」より以下は上記一覧と同じ内容です)
↑↑↑あと、「大崩山」(オオクズレヤマ)の 読みが こちらでは「オオクエヤマ」となっていますね。
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※ 地名などは、時代と共に変化はあると思われますので、登山などを行う場合は「最新情報」をご確認くださいね。
関連場所の地図
参考サイト
<Wikipedia>
- 乗鞍岳(長野県松本市・岐阜県高山市)
- 岐阜県高山市
- 岐阜県の大野郡(飛騨国にあった郡)
- 岐阜県の吉城郡(飛騨国にあった郡)
- 岐阜県の国府町(吉城郡にあった町)
- 岐阜県の久々野町(大野郡にあった町)
- 岐阜県の高根村 (日和田がある場所) ←「日影」という集落もある
- 岐阜県の丹生川村
- 三重県の阿拝郡(伊賀国にあった郡)←飛騨にもかつて「阿拝郡」あった
- 岐阜県大野郡の上枝村(ほずえ村)清見村の一部→上枝村→高山市
- 岐阜県揖斐郡の春日村(←滋賀県 坂田郡 伊吹町 が隣)
<参考サイト>
・裏古事記日本人のルーツ飛騨
・飛騨高山旅ガイド
・コトバンク:阿拝郷(飛騨国 大野郡)
・コトバンク:久々野町町(飛騨国 大野郡)
・コトバンク:阿多粕村(飛騨国 大野郡 久々野町)
・乗鞍岳:歴史
・乗鞍高原「乗鞍の歴史を語る会」
・岐阜県中部山岳国立公園:乗鞍岳の23峰のご紹介
・目からウロコの地名由来:「乗鞍岳」「御岳」の地名由来
・古代飛騨探訪地図
・日本伝承大鑑:岐阜:日輪神社
・飛騨・高山観光コンベンション協会:丹生川町
・【公式】丹生川まちづくり協議会
・丹生川観光情報:丹生川を歩こう
・山語りマップ:飛騨美濃山語り(中田裕一)
・山語りマップ:高山市丹生川町(中田裕一)
・国立国会図書館:次世代システム開発研究室:次世代デジタルライブラリー
<関連記事一覧>
・「飛騨」関連記事一覧
飛騨は日本の始まり?飛騨伝承まとめ|まとめ
<飛騨の伝承関連記事>乗鞍岳は「淡山」だった?|まとめ
というわけで、
乗鞍岳付近に「淡山」は見つけられませんでしたが、違う漢字での「アワ山」(候補)はありました。↓↓↓
\ 乗鞍岳のアワ山 /
※ クリック(タップ)すると「詳細」にジャンプします ↓↓↓
以上、
乗鞍岳は「淡山」だった?…に、ついてのブログ記事でした。