白族の「土公・土母」とは?|新居と土地を鎮める神

白族の祭祀を調べていて、まさかの名前が出てきた。

土公・土母。

日本の土公神が気になっていたところに、雲南の白族から同じ「土公」が出てきたので、まず白族側の土公・土母についてだけ整理しておく。

白族では新居完成後に土地を鎮める

大理・剣川などの白族地域には、

安龍奠土
奠土
謝土

などと呼ばれる儀礼がある。

家を建てるということは、

土地を掘る
石や土を動かす
地面に建物を建てる

ということ。

その過程で土地を司る神々を犯してしまった可能性があるため、家が完成したあとに改めて神々へ謝り、

土地を鎮め
家を守ってもらう

ための儀礼を行う。

そこで重要な役割を持つのが、

土公・土母

だった。

「土公」だけではなく「土母」がいる

個人的に気になるのが、

土公

だけではなく、

土母

が対になっていること。

白族の奠土儀礼では、人が実際に土公・土母に扮する例も紹介されている。

剣川の儀礼では、祭祀を主導する高功とともに土公・土母が動き、

五方の凶神を鎮める役

を担っている。

つまり、

土公・土母=土地そのものを守り、土地の乱れを鎮める存在

として扱われているように見える。

「土公土母」と書かれた紙馬も残っている

さらに面白いことに、名古屋大学博物館の中国紙馬コレクションには、

雲南省周城

で採集された、

「土公土母」

という紙馬が実際に収蔵されている。

同じコレクションには、

田公地母之神
水府龍神
水府龍王

などの紙馬もある。

つまり白族の土公・土母は、研究者が理論上分類しただけの存在ではなく、

実際の民間祭祀の中で祀られていた神

だったことが分かる。

日本の「土公」と比べたくなる

日本にも、

土公神

という土地に関係する神がいる。

陰陽道では、土公神は季節によって場所を移動するとされ、そのいる方角の土を動かすことを忌む。

さらに、

宇治土公
猿田彦
土地
境界
方位

など、自分が以前から気になっている話もある。

白族の土公・土母と、日本の土公神が直接つながるのかはまだ置いておく。

まずは、

雲南の白族にも「土公」という土地神がいて、家を建てた後の土地鎮めに重要な役割を持っていた。

という事実をメモしておきたい。

日本側との比較は別記事で改めて考える。

参考

張麗山『東アジアにおける土公信仰と文化交渉』

名古屋大学博物館「伊藤コレクション(中国紙馬等)」

羅明輝「剣川白族道教“奠土”儀式与音楽」

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