白族の「土公」を調べていて、かなり気になったもの。
それが、
五方五龍。
白族の「安龍奠土」という祭祀には、東西南北中央の五方それぞれに、
帝+色+龍
が配置されている。
五方の色と龍
大理白族の土府神信仰を扱った研究には、
東方=青帝・青龍
南方=赤帝・赤龍
中央=黄帝・黄龍
西方=白帝・白龍
北方=黒帝・黒龍
という構成が記録されている。
これは、そのまま五行の、
東=木=青
南=火=赤
中央=土=黄
西=金=白
北=水=黒
という対応に重なる。
つまり白族の祭祀の中に、
五行の五色五方がかなり明確な形で入っている。
しかも五方の神が「龍」
もう一つ面白いのが、
全部「龍」
であること。
安龍奠土では、家を建てることで地脈や龍神を乱した可能性を考え、
五龍を再び正しい位置へ戻して土地を安定させる
という意味合いがある。
つまり、
龍
=
水の神
だけではなく、
土地
地脈
方角
空間
とも結びついている。
五方にそれぞれ龍がいて、
五色+五方+龍
で土地全体を管理する構造になっている。
「白族」の白も気になってくる
ここで当然気になるのが、
白族の「白」。
五行では、
西=金=白
になる。
ただし、白族の自称に含まれるBaip/Peが、もともと「白色」を意味したのか、それとも民族名・言語名だったのかはまだはっきりしていない。
なので、
白族=五行の金の民族
と単純に決めることはできない。
それでも、
白族の実際の祭祀文化の中に、白=西を含む五色五方体系が存在する
という事実はかなり重要だと思う。
「白」という民族名だけを五行に当てはめるのとは、少し意味が違う。
五行は外から入ったのか、それとも白族文化になったのか
白族の安龍奠土は道教との関係が強い。
そのため、
五色五方=白族固有の最古層文化
とは限らない。
一方で研究では、この儀礼には道教的要素だけでなく、
白族地域独自の民族的・地域的要素
も含まれているとされる。
つまり、
道教・陰陽五行を受け入れながら、白族自身の土地祭祀として再構成した
可能性も考えられる。
今後は、
白族のもっと古い祭祀にも五色・五方・龍の構造があるのか?
を追ってみたい。