スズメ|ミャオ系に残る「鳥」と「雀」の話

日本神話や古代皇統を見ていて、私が気になった「鷦鷯」。

もしこのに氏族や集団を象徴するような意味があったのなら、その背景は日本列島の外にもあるのかもしれない。

そこで今回は、ミャオ族をはじめとする中国南方の集団に、を氏族や祖先の象徴として扱う例があったのか? を追ってみる。

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「雀」を重要視する南方系集団はいた?― ミャオ系との関係

では、古代中国南方の集団の中に、

」を特別な鳥として扱う集団 はいたのか?


調べてみると、特に気になったのがミャオ系だった。

貴州周辺の苗族ミャオ)の一支には、

嘎闹ガーナオ(Ghab Waos)

と呼ばれる集団があり、

この名称を麻雀マージャン」や「鳥雀チョウジャクの根源」と解釈する研究がある。

つまり、ミャオ系の中には、

支族そのものを「」と結びつけて説明できる集団

が存在することになる。


また、ミャオ系では支系ごとにトーテムが異なり、

鳥・鷹・鶏

などを象徴とする例がある。

たとえば、貴州・丹寨周辺の嘎闹(Ghab Waos)と呼ばれる支系は、「鳥の部族」と説明され、祭祀衣装の百鳥衣にも多数の鳥文様が残る。

また、中国の民族資料では、「鷹」をトーテムとするミャオ系集団

や、

貴州西部で「鶏」をトーテムとするミャオ族 についても記されている。


つまりミャオ系では、

「鳥」という大きな象徴の中に、支系ごとに異なる鳥を持つ文化 が存在していたように見える。


伝統文様や伝承の中にも、

麻雀máquè(スズメ)・喜鵲キジャク(=カササギ)・燕・斑鳩イカル・鷺

など、多くのが登場する。


そのため、

ミャオ系文化の中には、鳥を祖先・氏族・集団の象徴として扱う文化がかなり強く残っている

と見ることができそう。


さらに、古代の文化圏でも、

が稲や穀物をもたらす鳥

として扱われる伝承や、

に食物を供える農耕儀礼が残っている。


つまり南方系文化を見ると、

=単なる小鳥

ではなく、

氏族の象徴
祖先とつながる鳥
稲・穀物をもたらす鳥

という意味を持つ例が見えてくる。

ここで日本側の、

仁徳天皇=大鷦鷯オホサザキ
武烈天皇=稚鷦鷯ワカサザキ

という皇統の「鷦鷯(ミソ)サザイ」と重ねると、

皇統側に残された「」という鳥名も、南方系の古い氏族・部族の象徴を引き継いだものではないか?

という疑問が出てくる。

特に、

ミャオ系の一支に「」を支族名・象徴とする例がある という点は、今後「雀/鷦鷯」を追ううえでメモしておきたい。

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