岩手の雀神社|片目の雀になった巫女の伝承

岩手県盛岡市湯沢にある雀神社には、少し変わった雀の伝承が残されている。

ここにはかつて温泉が湧いており、その近くに一人の巫女が暮らしていたという。

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温泉を運び去った巫女

雀神社
〒020-0842 岩手県盛岡市湯沢2地割37−5

<御祭神>
少彦名命
宇迦之御魂命

伝承では、巫女の息子が無実の罪で処刑されてしまう。

これを恨んだ巫女は、毎晩、湧き出ている温泉の湯をくみ、を越えた谷川へ運び続けた。

やがて湯沢の温泉は枯れ、反対に湯を運んだ先では温泉が湧くようになったという。

そして巫女は死ぬ際、この土地を恨む言葉を残し、となって空へ飛び去った

翌年になると、村には大量のが現れ、田畑の穀物を食い荒らした。

しかも、そのたちは片目だったという。


困った村人たちは、旅の僧から「巫女の祟りだから祀るように」と教えられ、巫女を祀る堂を建てた。

するとによる被害は収まった。

この堂が「巫女堂」「雀堂」などと呼ばれ、現在の雀神社につながったと伝えられている。

なぜ「雀」になったのだろう?

この話でまず気になるのが、なぜ巫女がになったのかということ。

単に「田畑を荒らす鳥だから」という昔話的な理由だった可能性もある。

ただ、日本各地には、死者の魂や神霊が鳥となって現れる伝承があり、についても、藤原実方の霊がになったという「入内雀」の話などが知られている。

そのため、そのものに、霊魂や特定の集団を表す意味があった可能性も考えてみたくなる。

「片目」は製鉄の印?

もう一つ気になるのが、片目のだったという点。

日本の伝承では、

片目・一つ目・一本足

といった特徴が、製鉄や鍛冶と結びつけて語られることが多い。


製鉄神として知られる天目一箇神も「一つ目」の神であり、一本だたらなど、製鉄民との関係を指摘される異形の伝承も各地に残っている。

そう考えると、この雀神社の「片目の」にも、もしかすると製鉄や鉱山に関係する記憶が重なっているのかもしれない。

では、製鉄には何か関係があるのだろうか?


調べてみると、「」という名前そのものを砂鉄や鉱物と結びつけて考える説もある。

この話は別の記事で改めてメモしておきたい。↓↓↓

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