塚田敬章氏の説を見ていると、「酒」も 呉系楚人を考えるうえでのキーワードの一つ として出てくる。
しかも酒には、サケ・サカ・ササ・ミキなど複数の呼び方があり、以前から気になっていた「ヒラとサカ」のような、言葉の系統差を思わせる部分もある。
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今回は、塚田氏が「酒」をどのように位置づけているのかを確認しつつ、そこから気になった酒の呼び名についてメモしておく。
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・「塚田敬章」についての記事一覧
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塚田氏の説では「酒」は呉系楚の要素
塚田敬章氏のサイトを読んでいて、改めて気になったのが「酒」。
塚田氏がまとめた「呉系楚人(堂谿氏)」の関連要素 を見ると、「その他」の項目に、
酒(松尾、ミキ)
とはっきり書かれている。
(引用:塚田敬章氏 縄文の逆襲、3)
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塚田氏の整理では、
堂谿氏 → 呉系楚人 → 秦氏
という流れがあり、その関連要素の一つとして「酒」が置かれている。
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「松尾」とあるのもわかりやすい。
京都の松尾大社は秦氏との関係が非常に深く、御祭神は大山咋神。
松尾大社自身も、秦氏にとって 酒造が特技の一つ だったとし、それが後に松尾大社が「日本第一酒造神」と仰がれるようになった由来だと説明している。
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つまり塚田氏の整理では、
酒
↓
松尾
↓
秦氏
↓
堂谿氏
↓
呉系楚
というラインが見えてくる。
「酒」の音も気になる
ここからは、この話を見ていて個人的に気になったこと。
酒には、
サケ
だけではなく、複合語の中に
サカ
という形が残っている。
酒屋=サカヤ
酒蔵=サカグラ
酒樽=サカダル
など。
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さらに「酒」をササと呼ぶ言い方もある。
『好色一代男』の「少しササなどこれよりたべまして」や、近松作品の「ササでもあがりませ」などの実例がある。
また『古事記』の酒宴歌にも「佐佐(ササ)」という囃子詞が登場し、辞書では酒を意味する「ササ」との関係も指摘されている。
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すると、
ササ
サカ
サケ
という、かなり近い音が並ぶ。
以前から気になっている「坂=サカ」まで含めると、「サカ」という音そのものをもう少し追ってみたくなる。
塚田氏の関連要素一覧にも、呉系楚の「音」の中に「サカ」「サザ」が挙げられているのも気になるところ。
(引用:塚田敬章氏 縄文の逆襲、3)
<追記>
なぜ、「サザ」がこの一覧にはいるのか?の理由はまだ「塚田氏のサイト」から探せてはいない。(サザキのサザかしら?)
同時に、この一覧で気になる、(最後の行に登場する)ミソサザイの「ミソ」については書かれていた。
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・「ミソ」は「微+楚」?|ミソサザイと呉系楚人の話
ミキという別の「酒」の言葉
一方、酒にはもう一つ古い呼び方がある。
ミキ(神酒・御酒)
現在でも「お神酒(オミキ)」という言葉に残っているが、南西諸島では祭祀用の発酵飲料の名称として、ミキ系の言葉が実際に残っている。
沖縄県立博物館の調査では、
・沖縄本島:ミキ、ウンサク、ウンシャク
・宮古:シク、ンキイ
・八重山:ミシャク、ミシ、ミス
などの呼称が記録されている。
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ここでかなり気になるのが、
ミシャク
という言葉。
竹富島では、祭りに供える口噛み酒を「クチミシャク」と呼んだ記録もあり、別の沖縄県立博物館の資料では「ミシャク、またはミシャグ」とも説明されている。
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ミシャク
ミシャグ
とくると、どうしても諏訪のミシャグジを思い出す。
ここは語源的につながるのかどうか、今後気にしておきたい。
ヒラとサカ、ミキとサケ?
『消された南の島の物語』を読んでいて気になったのが、
ヒラ ⇔ サカ
という関係だった。
同じように酒にも、
ミキ ⇔ サカ・サケ
という異なる言葉が存在する。
さらに、
ササ・サカ・サケ
という近い音も並んでいる。
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今のところ頭の中では、
ヒラ/サカ
ミキ/サカ・サケ
ミシャク/ミシャグ
ササ/サカ/サケ
という言葉を横に並べている。
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そして塚田氏の体系では、そもそも「酒(松尾、ミキ)」が呉系楚の関連要素として明記されている。
「酒」という一つのキーワードから、秦氏・松尾・呉系楚、さらに南島に残るミキやミシャクまで、思った以上にいろいろな方向へ線が伸びそうである。
参考サイト
■ 塚田敬章氏「縄文の逆襲 3」
この記事で触れた「酒(松尾、ミキ)=堂谿氏(呉系楚)の関連要素」は、塚田敬章氏の「縄文の逆襲 3」に掲載されている一覧を参考にした。
このページでは、
呉
楚(呉系楚人・秦人・堂谿氏)
越
それぞれについて、トーテム・色・植物・音・その他の関連要素が整理されている。
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そのうち呉系楚人(堂谿氏)の関連要素として、
「酒(松尾、ミキ)」
が挙げられている。
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また、「サカ」「サザ」などの音も同じ一覧の中に出てくる。
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■ 塚田敬章氏「堂谿氏(秦氏の源流)」
塚田氏が、呉王闔閭の弟・夫概 → 楚へ亡命 → 堂谿に封じられる → 堂谿氏という流れを史料から追っているページ。
塚田氏が堂谿氏を秦氏の源流となる呉系楚人として考える根拠を確認する際の参考資料。
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■ 塚田敬章氏「帰化人 秦氏」
天之日矛やツヌガアラシト、堂谿氏、秦氏についてまとめられたページ。
ここでも塚田氏は、
夫概 → 堂谿氏 → 呉系楚人 → 秦氏
という流れを詳しく説明している。
また、秦氏と松尾大社・酒との関係を考える前提として、秦氏を塚田氏がどのような集団として捉えているのか確認するのにわかりやすい。
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■ 松尾大社公式サイト
松尾大社と秦氏、酒造との関係を確認するための参考資料。
松尾大社では、秦氏が酒造を得意としていたことや、松尾大社が「日本第一酒造神」として信仰されてきたことが紹介されている。
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