民族のトーテムについて。
「呉・楚・越」を中心にまとめた。
まとめの対象は、塚田敬章氏の古代史レポートの内容。
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塚田敬章氏の「トーテム・民族・音」備忘録
塚田敬章氏の古代史レポートでは、古代の集団を見分ける手掛かりとして、
動物・鳥・魚・虫・植物・色・自然現象・神話・祭祀・言葉の音
などが使われている。

【補足】
・「滇(テン)」についてはこちら
呉
塚田説では、呉人は日本列島へ比較的早く渡来した集団で、
倭人=韓人(カラヒト)=呉人
と整理される。
また、呉文化の基層にはミャオ系を中心に、トゥチャ系・タイ系などの南方文化も含まれていたと考えている
代表的な要素
鯰・龍・蜈蚣(ムカデ)・狐・(牛)・赤
※「牛」は呉・楚共通トーテム
動物・鳥・魚
・鯰・龍・鯉・狐・蜈蚣(ムカデ)・牛
・虎・馬・雉(キジ)・鷲?
・鯨・イルカ・フグ・ナマコ・ナメクジ・カタツムリ
・巻貝/タニシ など
植物
自然・象徴
・太陽・虹・赤・地震・螺旋・巨人/大人・姫・五 など
呉関連メモ
・五瀬命の「五」と「呉」の話は、参考① と 参考②/ブログ記事
・アメノウズメのナマコの神話はナマコ=呉系の暗示?ウズメは楚系?または呉系楚?
(アメノウズメは猿田毘古神を送って日向国(または志摩国)に帰った後、大小の魚を集めて天孫(邇邇芸命)に仕えるかどうか尋ねた。みな「仕える」と答えた中でナマコだけが何も答えなかったので、アメノウズメはその口を小刀で裂いてしまった。それでナマコの口は裂けている。アメノウズメの功績により、代々の天皇は志摩国から新鮮な海産物が献上される時は、猿女君に与える。)
・ワカヒコの話で出てくる、タカミムスビが遣わしたキジナキメ(雉鳴女)も雉(=呉?)
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・呉系の渡来時期|最初に日本へ来た弥生系渡来人
楚
塚田説では、楚人は中国南方の複数の文化を取り込みながら形成された集団。
楚文化にもミャオ系・トゥチャ系・タイ系など複数の南方文化が重なっていたと考えている。
代表的な要素
猿・熊・(牛)・(蛇)・(雷)・青・火・竈
※「牛」は呉・楚共通トーテム
※「蛇」「雷」は越にも見られる要素
動物・鳥・魚
・猿・牛・蛇・熊・亀
・兎・猪・カモシカ・羊
・ヒキガエル・蟹・山椒魚・スッポン・ウナギ
・鯛・赤貝・蛤・アワビ・タコ など
植物
・橘・松・笹・桂・葛
・ワラビ・萩・菖蒲・菊・葵
・椿・牛蒡・桃・粟・ナス・キュウリ など
自然・象徴
・橘/雷電・青/緑・石・火/竈
・月・北斗/星・雲
・楽器・鐘・琴
・小人・八・丸
・軽い・裏/浦
・針や棘「チクッと刺すもの」など
神格・象徴的存在
・夔(キ)
→ 蛇・猿・牛・青・雷電・石・木・楽器などの要素を持つ存在
楚関連メモ
夔(キ)について関連記事
・秦氏と夔(キ)はどうつながる?「大山咋=夔」という説
・秦氏に見られる楚の要素「雷・牛・猿|夔(キ)」との共通点
呉系楚人
塚田説では、呉系楚人は、もともと呉系の集団が楚へ入り、
その中で楚の文化・信仰・トーテムを取り込んで形成された集団と整理される。
つまり、
呉文化を土台にしながら、楚文化も強く持つ集団
という位置づけになる。
堂谿氏が代表例。
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・堂谿氏はどうやって秦氏につながった?という話
塚田氏は、「呉系楚人は呉の要素をすべて含む」としている。
つまり、呉の要素+楚の要素が同時に現れる
塚田氏は、この呉系楚人を東鯷人と結びつけ、日本列島では秦氏・熊襲・伊都国・狗奴国などにつながる集団として見ている。
文化的には、ミャオ系・トゥチャ系・タイ系などの南方文化を基層に持つ、重層的な集団として捉えている。
代表要素
鰻・猿・牛・雷・亀・橘・熊・青
※「牛」は呉・楚共通トーテム
※「蛇」「雷」は越にも見られる要素
さらに呉側の、
龍・赤・竹・楠
… なども含む。
※呉系楚人は、呉の要素を引き継ぎながら楚系要素も持つ集団として整理されるため、呉系のトーテム・象徴と重なるものも多い。
動物・鳥・魚
猿・熊・牛・雷
・猿・熊・牛
・兎・猪・羊・カモシカ・イタチ
植物
橘・松・笹・葛
・桂・ワラビ・ウラジロ
・萩・菖蒲・菊・柊
・椎・梓・桃・椿・葵
・小豆・粟
自然・天体・象徴
月・北斗七星/妙見・火
・青/緑・雷
・星・雲・暦
鳥
鷹・鶏・百舌(モズ)・カラス・鳩・木菟(ミミズク)
・ミソサザイ・鴨・鷺・トビ・鵜・雀
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・呉系楚の鳥トーテムはミャオ系に由来する?|卵生神話と「鳥」の話
呉系楚人関連メモ
<日本側で塚田氏が「呉系楚人」と関連させる神>
・須佐之男命
・少彦名神
・天之日矛
・ツヌガアラシト
・天之穂日命
・猿田彦命
・天鈿女命
・月読命
・金山彦神
・大山咋神
・一言主神
・五十猛神
・宗像三女神
・天児屋根命
・火雷神
塚田説では、猿田彦・天鈿女などに「猿」の要素を見るほか、
大山咋=夔(キ)、火雷神=雷など、
神名や伝承に現れる動物・自然現象を呉系楚人のトーテムや文化要素と重ねて見ている。
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・呉系楚人系の渡来時期|呉から楚へ入った人々と日本へ
越
塚田説では、越は単一民族ではなく、
ヤオ族・トゥチャ族・ミャオ族など、複数の南方系集団が混在する複合的な集団として整理される。
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・トーテム|ミャオ・ヤオ・トゥチャ を象徴する動植物・自然物
日本列島では、邪馬壱国・邪馬台国側につながる系統として扱われ、物部氏・和邇氏・春日氏・大伴氏・忌部氏・高橋氏など、
多くの氏族につながると考えている。
代表的な要素
蛇・雷・鹿・鰐・狗・子規(ホトトギス)・白
※「蛇」「雷」は楚にも見られる要素
動物・鳥
・蛇・鹿・狗※/犬・鰐
・猫・狸・鼠・カワウソ
・子規(ホトトギス)・燕・鶏・隼
・川雁・キツツキ
※【狗】音読み:ク、コウ/訓読み:いぬ
・メモ:天狗の「狗」
イヌ全般や成犬を広く表す一般的な漢字。
日本語では日常的に「犬」を使用。
また、「軍犬」「警犬」のようにフォーマルな使役犬にも使われる。
【狗(く)】
「けものへん」に小さくかがむ様子を表す「句」を組み合わせてできた漢字。
もともとは子犬や小型犬を意味していた。
中国語圏では日常会話で「狗(ゴウ)」が広く使われる。
卑しいものや軽んじるニュアンスが含まれることもある。
植物
・杉・榎・クヌギ/楢・桜
・桑・柴・柳・柿
・藤・朴・葦・アヤメ
自然・象徴
・太陽・雷・石
・風・竜巻・白
【補足】
ここに挙げた動物・鳥・植物・自然・象徴の中には、越だけに限定されるものではなく、楚や呉系楚人などにも見られる要素が含まれている。
越もまた複数の南方系集団が重なった文化として考えられているため、ここでは無理に他系統と完全に切り分けず、塚田氏が越系の文化・トーテムとして関連づけている要素としてまとめておく。
越人関連メモ
<日本側で塚田氏が「越人」と関連させる神>
・大国主神/大物主神
・建御雷神
・経津主神
・建御名方神
・天照大神
・高御魂神
・事代主神
・菊理姫
・綿津見三神
・住吉三神
・大山津見神
・石凝姥命
・思兼命
<日本側で塚田氏が「越人」と関連させる氏族>
塚田氏は、この越系・邪馬壱国系から、
・物部氏
・和邇氏
・春日氏
・安曇氏
・三輪氏
・尾張氏
・穂積氏
・大伴氏
・忌部氏
・高橋氏
など、多数の日本氏族を導いている。
<関連記事>
・忌部氏は「越系」だった?塚田説で見る天太玉命と南方文化
<関連記事>
・越系の渡来時期|後発の弥生系渡来人とみる集団
参考
・塚田敬章氏「中国、朝鮮史から見える日本、1」
・塚田敬章氏「中国、朝鮮史から見える日本、2」
・塚田敬章氏「中国、朝鮮史から見える日本、3」
・塚田敬章氏「中国、朝鮮史から見える日本、2」|越の民族・言語・トーテムなど
・塚田敬章氏「中国、朝鮮史から見える日本、3」|呉・呉系楚・越の比較
・塚田敬章氏「縄文の逆襲2」
・塚田敬章氏「縄文の逆襲3」
・塚田敬章氏「堂谿氏(秦氏の源流)」
・塚田敬章氏「帰化人の真実」シリーズ
・塚田敬章氏「邪馬壱国、魏志倭人伝の風景」
<関連記事>
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・「塚田敬章」についての記事一覧
・「呉・楚・越」についての記事一覧
・「呉」についての記事一覧
・「楚」についての記事一覧
・「呉系楚」についての記事一覧
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